総評
今回は昨年を上回る応募があり、過去最多の作品が寄せられました。
どの作品からも、作者が身近な「工事現場」や「建物」、「働く人々」への深い関心をもち、丁寧に観察しながら表現に取り組んでいることが伝わってきました。重機の力強さや働く人々の姿がいきいきと描かれ、細部までの描写には真剣さと集中力が感じられました。
また、現実の風景に空想や物語を重ねたり、ロボットやこびとを登場させたり、コラージュや切り絵など多様な技法を取り入れたりと、自由でのびやかな発想が光る作品も多く見られました。
さらに、家族や働く人への感謝、安全への願い、未来への希望など、一人ひとりのあたたかな思いが画面からやさしく伝わってきます。
どの絵にも、作者のまなざしと表現する喜びがいきいきと息づいていました。
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[第1部]最優秀賞『土をならす』
西田 伊佐作品全体から、作者が工事現場をよく観察して描いていることが伝わってきます。キャタピラから土煙が立ちのぼる様子が表現されていて、重機の力強さや動きが感じられます。重機の細かい部分まで丁寧に描かれており、作者の興味や思い入れが伝わります。登場する人の表情もとてもよく、生き生きとしています。1枚の絵の中に、工事現場のいろいろな場面が描かれているところも見どころで、にぎやかで楽しい雰囲気の作品になっています。
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[第1部]優秀賞『みんながんばる工じげんば』
岡田 悠李画面いっぱいに工事現場の様子が描かれていて、そこで働く人たちの姿がとても生き生きとしています。一人ひとりが楽しそうに仕事をしている様子が伝わり、見ているこちらまで明るい気持ちになります。人を助けるロボットの登場も想像力にあふれており、その形や動きには作者ならではの工夫とオリジナリティが感じられます。現実の世界と空想の世界がやさしく重なり合った、楽しい作品です。
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[第1部]優秀賞『暑いなかでもがんばるゾ』
中井 莉子重機がキャラクターのように描かれており、とても印象的です。力強く活躍する重機の姿や、それに助けられている人々の様子が生き生きと表現され、画面全体からあたたかな物語が伝わってきます。絵の具の使い方にも工夫があり、しっかり塗った部分とうすく重ねた部分がほどよく組み合わさって、色の表情がとても豊かです。
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[第1部]優秀賞『暑くても長そでで安全優先!』
永岩 芽依工事現場で一生懸命に働く人たちの姿が、丁寧に描かれています。空調服を着て作業する大変さにも目を向け、その思いを絵の中にしっかりと表現しているのが伝わります。年配の人が若い人に仕事を教える様子からは、人と人が力を合わせて、安全で住みやすい街をつくっているという作者のあたたかなまなざしが感じられます。
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[第2部]最優秀賞『パイルドライバー』
荒井 想生パイルドライバーが画面いっぱいに描かれ、その迫力に思わず目をひかれる作品です。細かな部分までよく観察し、丁寧に色を重ねて表現している様子が伝わってきます。とくに履帯(自動車のタイヤにあたる部分)の汚れをしっかりと描こうとしたという作者のこだわりが感じられ、ものをよく見る力と真剣に取り組む姿勢が光っています。
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[第2部]優秀賞『トンネル工事のスペシャリスト ドリルジャンボ』
三浦 彰造ドリルジャンボの作業風景がいきいきと描かれた作品です。初めて見たときの強い印象が心に残り、「これを描きたい」と感じた作者の思いが伝わってきます。重機のかっこよさを細かな描写を通してしっかりと表現できているところも魅力ですが、重機の鮮やかな色彩や、空に浮かぶ雲のかたちなどにも遊び心が感じられ、見ていて楽しい作品です。
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[第2部]優秀賞『おつかれさん』
井上 優登いつも活躍している重機をきれいにしている様子が描かれた作品です。「次も一緒にがんばろう」という作者の前向きな気持ちが伝わってきます。人だけでなくドローンも洗車に参加しているところに、今の社会の風景がさりげなく表れており、未来を感じさせる楽しい発想が光っています。
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[第2部]優秀賞『こびとたちの家づくり』
山田 麗奈たくさんのこびとたちが協力して家をつくっている様子が、楽しく描かれた作品です。細かいところまで丁寧に描き込まれた風景は、見ているだけで物語の世界に引き込まれます。さらに、こびとたちのひとことが絵の中に添えられており、言葉も絵の一部として生き生きと表現されています。その工夫がとてもすてきで、作品全体にあたたかい魅力を感じます。
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[第3部]最優秀賞『工事現場の見守り人と風景』
井上 大翔市街地の国道で、赤い旗をかかげて車を誘導する人の姿が描かれた作品です。正面ではなく背中から描くことで、交通を見守りながら人々の安全を守る姿がとてもよく表現されています。風景を少しやわらかな色で描くことで、主人公である誘導員がしっかりと際立ち、静かな中にも力強さを感じる作品です。
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[第3部]優秀賞『希望のクレーン車』
山田 直弥大きくて力強いクレーン車が描かれ、未来への希望が感じられる作品です。「未来をつくる力」というタイトルからも、作者の前向きな思いが伝わってきます。画面から少しはみ出すように描かれた構図は、重機の存在感と迫力を際立たせ、作者が感じた“未来を動かす力”を象徴しているようです。
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[第3部]優秀賞『ハトスタ』
髙岡 将翔「HATOスタジアム」をテーマに描かれた力作です。立体的に見えるよう工夫したという作者の言葉の通り、俯瞰したような視点や、もの同士の重なり、色づかいに工夫が感じられます。全体にしっかりとした構成力があり、スタジアムのにぎやかさやスケール感がいきいきと伝わってきます。
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[第3部]優秀賞『ほれほれ!どんどん』
鈴村 賢生ショベルカーが土を掘るときの力強さが、画面いっぱいに伝わってくる作品です。土の色を一色で描くのではなく、茶や赤、黒などをまぜながら表現しており、深みのある色合いがとても印象的です。筆づかいも大胆で、その勢いが重機の動きとよく合っており、迫力のある表現になっています。
















