総評
夢けんプラザ絵画コンクールの審査も9回目となりました。今年もコロナ禍の影響が続いておりますが、多くの応募作品のおかげで活動を継続することが出来ました。これも参加してくださった皆様や関係者の方々のご尽力によるものだと
感謝しております。
今回は、優しい色彩や緻密な描画といった繊細な表現が多かったように思いました。これもお家時間が長くなった影響なのかもしれません。また「小さい頃の思い出」や「これからも残してほしい」といった具合に、この世界を懐かしんだり
慈しむような作品のコメントが印象に残りました。「アートは社会を写す鏡」とよく言われますが、このような優しい眼差しの作品たちに心が救われる思いが致しました。現在も出口の見えない状況が続いておりますが、次回は鮮やかで力強い
作品にも出会えるように、社会の状況が好転することを願っております。
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第1部 最優秀賞 五十嵐 朱理
「がんばれ!ブルドーザー」画面いっぱいに描かれたブルドーザーが圧巻の力作です。緻密に描かれた運転席やキャタピラの部分と、画面の4分の1を占める黄色いブレードと淡い空色の美しい対比など、とても見応えのある素敵な作品です。
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第1部 優秀賞 新庄 光明
「はたらくショベルカー」形を捉えるのが難しいショベルカーを丁寧に描いた秀作です。手前と奥を描き分けることで奥行きのある表現になりました。
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第1部 優秀賞 中野 陽葵
「なんでも重機」いろいろな機能を備えたアームが沢山ついてる万能重機です。操縦者の視点がドリルの作業に向けられることで臨場感のある作品です。
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第1部 優秀賞 石田 一陽
「真正面からうきみどう」シンメトリーな構図でインパクトを与えつつ、陰影の差異を丁寧に描くなど、大胆かつ繊細な表現が魅力的な作品です。
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第2部 最優秀賞 槝之浦 妃織
「未来の平和の塔」「未来の平和の塔」と題されたこの作品は、人型のロボットたちが何かを建設する様子が描かれていますが、平和の塔の全貌を描かないことで、謎が膨らむミステリアスな作品です。鑑賞者が物語を想像する楽しさや、未来への暗示が込められた、独創的な作品です。
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第2部 優秀賞 梅田 大輔
「働く恐竜ロボットの工事」有機的なフォルムと幾何学的なデザインによる質の高い恐竜ロボットの表現が、独自の世界観に説得力を与える力作です。
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第2部 優秀賞 寺島 聡史
「能登川水車」ダイナミックな能登川水車を、丁寧な貼り絵で繊細に表現した秀作です。
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第2部 優秀賞 浅田 遥
「田上山ではたらく機械」パワーショベルの緻密な描写と見上げる視点が、工事現場の臨場感を静かに伝える繊細な作品です。
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第3部 最優秀賞 圓林 優翔
「パワーショベル」ダイナミックな縦構図によって手前から奥の空へと抜ける画面が心地よいです。また、輪郭線を抑えて色彩の違いを丁寧に描画することで、爽やかな空気感を表現しています。構図や色彩など随所に工夫が感じられる優秀な作品です。
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第3部 優秀賞 木原 佳苗
「八幡堀」色鉛筆の淡い色彩で空気感を演出しつつ、整ったハッチングで建物の存在感を表現した秀作です。
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第3部 優秀賞 臼井 ひなた
「田んぼに映った太郎坊宮」実像と虚像の違いを丁寧に描き分けた力作です。絵を逆さまにしても作品の天地が反転しないのが努力の証です。
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第3部 優秀賞 若林 彩香
「玄宮園のお茶屋さん」細かな砂利や葉っぱの表現にこだわった繊細な表現です。茶店の赤や黒が柔らかな画面を引き締めています。