総評
「夢けんプラザ絵画コンクール」の審査も10回目となりました。今年もコロナ禍の影響が続いておりますが、多くの応募作品のおかげで活動を継続することが出来ました。これも参加してくださった皆様や関係者の方々のご尽力によるものだと感謝しております。今回は、各テーマとも非常に興味深い作品が多く寄せられました。例えば「工事ではたらく人」では、女性が活躍する楽しい工事現場を描いた作品や、「工事ではたらく機械」では、機械ではなく昆虫が働くユニークな作品が印象に残りました。また「滋賀の建設物」では、身近な風景を丁寧に描くことで、作者の郷土への関心の高さがうかがえました。
これらの作品を通じて、豊かな自然や多くの文化財を有する滋賀県の恵まれた環境が、未来のものづくりを担う若い世代を育んでいるのだと実感いたしました。次回も素敵な作品に出会えるのを楽しみにしております。
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双腕作業機のアームを、まるで両腕の筋肉が躍動しているような生命感のある線描で表現しているところが魅力的な作品です。作者の、かっこいい!描きたい!という強い関心が伝わってきます。この機体は、ロボットへの憧れと自然災害など今日的な社会課題に対する需要から開発されたものです。作者の関心は、どのような未来に広がっていくのでしょうか。将来が楽しみです。
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たくさんの働く車たちが賑やかに作業している様子を、カラフルな色彩と画面全体を使った表現で描いています。ワクワク感が伝わる作品です。
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美しい星空とユニークな無人建設機械が作品の世界観を見事に表現しています。宇宙人たちの様子も魅力的です。
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「おつかれさまです」と声をかけたら、みんなが振り返った瞬間を描いたような、心温まる作品です。働く人の視線と日焼けした肌の色が効果的です。
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通称(ハサミ)と呼ばれるアタッチメントが繊細なタッチで描かれています。このようなモチーフは、油圧部分やハサミの形状など複雑な部品の組合せを考えながら描かなければなりません。作者の観察力や集中力の高さが伝わります。また、手前のハサミと操縦席の間の空間を意識することで、遠近感のあるダイナミックな画面に仕上げているのも魅力的な作品です。
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「昆虫たちの建設グループ」という世界観がユニークな作品です。大好きな昆虫の細かい描写とシンプルな背景の色面が美しいです。
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まるでドローンで撮影したような琵琶湖大橋の風景を想像で描いています。難しいアングルに挑戦した意欲作です。
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白く反射する瓦や、五色幕が揺れる様子など、光や風を感じさせる繊細な作品です。空のお地蔵様がアクセントになっています。
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八幡堀の風景を中学生とは思えない圧倒的な画力で描き上げた秀作です。画面全体を落ち着いた色調で纏めながら、建物は緻密で滑らかなタッチで描き、水面や植物は動きのあるタッチで描くなど、多様な表現を使い分けながら重厚で調和の取れた画面に仕上げています。今後が期待される優れた作品です。
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日吉大社東本宮楼門の美しい木組を丁寧に描いた美しい作品です。貴重な文化財が数多く現存する滋賀県ならではの郷土愛を感じました。
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繊細な色の濃淡で丁寧に描いた味わい深い作品です。見慣れた風景のなかに、豊かな美を発見したことでしょう。作者の感動が伝わる作品です。
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工事現場で楽しそうに働く女性の姿が印象的な作品です。多様な画材の組み合わせもユニークで、特に張り紙のパワーショベルが効果的です。