総評
今年は昨年を上回る応募があり、多様で魅力的な作品が多かったように思います。第1部では、未来社会や想像上の機械をテーマに、自由な発想とユーモアが感じられる作品が多く、観る人を惹きつける創造性に満ちていました。
第2部では大胆な筆遣いや配色、絵の具以外の素材を用いた表現が目を引き、それぞれの個性がモチーフの描き込みにも表れていました。
第3部では身近な機械や風景を改めて観察する中で構図や光の表現に工夫を凝らした作品が多く見受けられました。これらの作品は、絵画表現が単なる技術にとどまらず、
社会や未来への視座を持つメディアとしても機能することを示しています。また、このコンクールを通して、子どもたちが地域の新たな魅力を発見し、
ユニークなアイデアを形にしながら、社会と人とのつながりについて考えるきっかけとなることを願っています。
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工場で働く機械を猫の妖怪に見立て、工事が順調に進むように想いを込めた作品です。画面に大きく描かれた機械の姿や鮮やかな色の使い方が見ていて楽しく、印象に残る作品です。そのようなユニークな機械の描写だけでなく、操縦している人も丁寧に描き込まれれ、「さぁ、今から工事をがんばるぞ!」という意気込みも伝わってくるようです。
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自宅の棟上げの日の思い出を描いた作品です。木目まで描かれた柱によって家が形作られていく様子や、大工さんや機械が頑張っている様子がよく伝わってきます。
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琵琶湖の中に建設中の「BIWAKO CITY」を想像して描いた作品。建設物と魚が共存する新しい街という想像が楽しく、また、セロファンや厚く塗った絵の具など素材を工夫しながら表現できています。
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もし膳所城が再建したらたくさんの人で賑わうかな?そんな想いをもって描かれた作品。城の周りで楽しむ様子が細部まで生き生きと描かれています。
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工事現場で働く人の休憩の様子を描いた作品です。人物の全身を画面いっぱいに描いた大胆な構図で、休憩時間のリラックスした様子や、水分を補給する美味しそうでリフレッシュした表情がよく捉えられています。
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工事現場で活躍する機械ですが、遊具のように遊んでみたい!そんな自由な発想が込められている作品です。鮮やかな色彩が目を惹きますが、線や点を自然物に見立てる造形力も感じます。
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食品トレーやペットボトルの蓋、お菓子の袋など、捨ててしまうものを表現する素材として使用した作品です。素材の使い方が創意工夫されており、見ていて楽しい作品です。
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自宅の水道工事の思い出をもとに描かれた作品です。働く人が持っている様々な工具はとてもカラフルに表現されており、まるで魔法をかける道具のようなわくわく感やドキドキ感が伝わってきます。
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私たちの街を作ってくれているショベルカーに感謝の気持ちを込めたという作品です。機械の細部や空間の奥行きが丁寧に観察され、絵の具によって緻密に表現されています。また、ショベルカーを少し斜めに描くことで、その大きさがよく伝わる構図になっています。
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夏の夕暮れと秋の始まりを表現したという作品です。夕暮れの表現にはオレンジ色だけでなく黄色や青色も使用し、時間の移り変わりを工夫して表現できています。また、夏と秋の間を、自然の色彩によって表現する工夫も見られます。
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夜明けの空の移り変わりや湖面に映る琵琶湖大橋や街の光を絵の具の発色や滲みやグラデーションなどの技法によって描き出せています。
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まさにタイトルの言葉が聞こえてきそうな作品です。しかし、働く人物はとても達成感のある表情をしています。人物のアウトラインを強調することで奥行きある空間を表現できています。